2006.12.08
JB TOP50 Anglers of the Year! 赤嶺吉蔵 年間1位
今年のTOP50シリーズは2回も優勝するチャンスがありながら、どちらも僅か1ポイントの差で逃がしている。特に第2戦の土師ダムは自分のミスが原因なので、本当に悔しかったが、第4戦の檜原湖はウェイトも檜原湖レコードを更新しブッチギリだったし、Basserでは「もう一人の主役」として紹介されたし、自分なりには満足度の高い内容だった。
しかし、その檜原湖戦の直後に今回のA.O.Y.争いの緊張感は頂点に達していた。気分的にはシーズン中のそれぞれのトーナメントでは、最終日を終えて2位。これで終わりだったが・・・。A.O.Y.争いのほうは2位から始められる。この1点だけが私の気分を楽にさせてくれる唯一の要因だった。しかし私はいつも気持ちで釣ってくる方なので、最終戦を全力で戦うため自分の中で、気持ちの整理とかモチベーションといったところをもう一度整理して考え直す必要があった。
自分は何の為に、誰のために、そしてこのA.O.Y.というタイトルは自分にとってどれ程の価値があるか?遠賀川の準備をしている間そのことばかり考えていた。そして自分なりの結論に達した。それは「たとえ結果がどうなろうと今回のA.O.Y.争いを経験することで、アングラーとして人間として成長した自分の姿がそこにあれば良い」ということ・・・。あとは誰に勝つとか負けるとかではなく、「とにかく自分の全力の力をバスを釣ることだけに集中させる」こと。この2つの考えに行き着いた。
結局自分は、自分が一番大切に思える「子供のため」ならどんな事でも頑張れるという事をあらためて理解した。それからしばらくの間は、自分の覚悟も決まったので楽なオフリミットの期間を過ごすことができた。
そして遠賀川へと出発したが、今回は並々ならぬ気合いで準備をしたせいか、ものすごい量のタクッルを持って行くことになった。クランクベイトは数にして約200個、ワームにいたってはおそらく50kg位を持ち込んだのではないだろうか?それでも自分がそれで安心できれば良いと考えていた。
プリプラクティスは好調だった。4日間の平均スコアはアベレージで6kgオーバー、最終日には50up3本を含む9kgオーバーを釣っていたからだ。しかしこれまでの経験上、場合によってはそれが大きな落とし穴になる事も、私は十分に知っていた。なので、直前プラクティスでは前回の良過ぎた?プリプラクティスを疑いながら、もう一度スポットやアプローチを細かくチェックする必要があった。
そして2日目までは、かなりの緊張感があったが、暫定17位で迎えた最終日には何の迷いもなく、本当に気持ち良く遠賀川のバスと真っ正面から向き合うことができた。
最終日のウェイトは単日で6位。やはりゲーリーのファットベビークローは最強だった。結果、悲願のタイトルA.O.Y.を手に入れることができた。
私は大器晩成型というか、遅咲きというか、ここまで来るのに長い道のりだったと感じている。そしてこれまで随分多くの犠牲もはらったが、逆に素晴らしい出会いも数多くあった。それらを含めて、これまでの道のりを今思い返してみても「本当に諦めないで良かった」この一言に尽きる。
私は来期もTOP50シリーズにエントリーするが、これまでなかなか顔を出す事ができなかった小さなイベントにも、できるだけ多く参加しようと考えている。それはトーナメントは小さくても大きくても、バスフィッシングを楽しむうえで最もエキサイティングなフォーマットだと私は思っているし、技術やマナーも含めて、これら全てのバスフィッシングの楽しさを、私は一人でも多くの人たちと共有したいと考えているからです。
最後に応援してくれた全ての人に感謝します。
赤嶺 吉蔵